連結送水管耐圧試験及び消防用ホースの耐圧試験が、消防法第17条の3の3の規定に基づき、消防庁告示が改正され、平成14年7月1日より施行されました。
平成14年というと今から約9年ほど前になりますが、火災発生により消防隊が消火活動を行なう上で連結送水管を使用した際に漏水が起こり、まともな消火活動が出来なかった例が頻発したそうです。
おそらく、連結送水管やホースの設置が進んでから20年前後といったところでしょうか?漏れが起こってもおかしくない年代です。
連結送水管耐圧における漏れはほとんどが、地中埋設部分の配管にあると言われています。ごく稀に配管支持部分が弱くなっていて振動等によって亀裂が生じ溶接部等から漏れるケースもあります。
連結送水管には湿式と乾式があります。
湿式の場合は配管内に水が常に入っている為、漏れが起こっている場合には屋上の補助高架水槽のボールタップより水が常に出ている可能性が高いです。しかしながら、漏れがおきていなくても地中埋設でそれなり
に圧がかかっていて漏れなかったり、亀裂ができかかっているだけのケースは往々にしてあり、ポンプによる圧をかけて初めて漏れを生じるケースも多々あります。
乾式の場合は配管内に基本、水が入っていません。(耐圧試験実施後には水を入れておくケースもあります。)従いまして、屋上の高架水槽も存在しません。
湿式か乾式かは地域により異なります。寒冷地では湿式だと冬に凍ってしまい配管が破裂する危険があるため乾式であると聞いています。
このように長い年月を経ると様々な要因で大事な消防設備が意味を成さないものとなってしまいますから、連結送水管耐圧試験の実施を推奨致します。
連結送水管耐圧試験は
連結送水管設置後、10年を経過したものに付き、3年毎に実施
となります。
つまりは建物竣工後、11年目、14年目、17年目・・・に実施
と覚えていれば大丈夫かと思います。
連結送水管耐圧試験の費用は大した費用では無いと思います。
しかしながら、連結送水管耐圧試験にて圧が出ない場合、修繕をする費用は半端ない高価な金額です。
連結送水管耐圧試験をしたところで直せる訳ではありませんが、定期的に試験をして状況を把握していれば事前に準備したり計画する事も可能かもしれません。
一つ私から提案があります。
連結送水管耐圧試験をしてもしも圧が出なかった時、依頼をした消防設備士(私に依頼すれば一緒に探します^^;)と一緒に送水口から屋上までの配管で漏れている箇所を探して下さい。
たいていは埋設部分にて見つける事ができないと思いますが、見える部分で漏れがわかればそこの部分だけを改修すれば済むので御の字です。
なぜなら連結送水管耐圧試験費には漏れ部分を探し当てる費用は含まれておりません。実際に埋設部分で漏れている部分がどこか探し当てるのは困難だからです。
連結送水管の修繕では、埋設部分で漏れが生じている場合、配管を掘り起こし修繕・配管し直すというケースはほとんど無く、送水口から迂回して配管し直すケースがほとんどです。
最近では消防より劣化しないタイプの厚みのある配管(スケ4(SGP(3454)) を使用するよう指導があるそうで、費用も高くなっていますから配管し直すと大規模修繕となってしまいます。 |